地震の基礎知識:PS時間
PS時間
地震の縦波(P波)と横波(S波)は地盤を伝わる速度に違いがあります。縦波の速度は岩盤中で5~7 [Km/秒]で横波は3~4 [Km/秒]となり、縦波のほうが早く伝わります。 地震発生と同時に縦波と横波は広がり始めますが、縦波のほうが伝わる速度が速いので震源から離れた地点では、まず縦波のカタカタとした揺れを感じて、その後に、横波のゆさゆさとした揺れを感じることになります。 この縦波(P波)のカタカタとした揺れを感じてから横波(S波)を感じるまでの時間をPS時間(初期微動継続時間)と言います。 縦波と横波の広がりを表すと以下のイメージ図のようになります。
地震発生と同時に縦波の揺れと横波の揺れが発生し、周りに広がり始めます。 震源に近い場所では、縦波(P波)と横波(S波)揺れは、ほぼ同時に到達します。
Aさんの場所に縦波(P波)が到着し、カタカタとした揺れが始まります。
Aさんの場所は震源に近いため、縦波のカタカタとした揺れは、すぐに横波(S波)による激しい揺れに変わります。 横波(S波)が到着するまでの縦波(P波)によるカタカタとした揺れの時間がPS時間(初期微動継続時間)となります。 そのころ震源から離れたBさんは縦波の揺れを感じ始めます
しばらくするとBさんも横波の激しい揺れを感じます。しかし、震源から離れているため、縦波の揺れを感じてから横波の揺れを感じるまでの時間は震源に近いAさんよりも長くなることが判ります。
このように縦波と横波の速度の違いから、震源に近い場所では縦波を感じる時間が短く、震源から離れれば離れるほど、縦波を感じる時間が長くなります。
PS時間を使った震源までの距離の測定
PS時間(初期微動継続時間)は震源からの距離に比例して増加するため、複数の箇所でのPS時間が判れば、震源までの距離が逆算可能となります。
A地点でのPS時間が9秒、A地点から100Km離れたB地点でのPS時間が18秒だったとすると、A地点から震源までの距離は100Km、B地点から震源までの距離は200Kmと推測できます。
PS時間を使った震源の測定
PS時間を用いて震源までの距離が判ったら、3か所(以上)の震源までの距離から、震源の位置と震源の深さが特定できます。 震源の位置を地表面で示した場所が震央となります。