地震の基礎知識:前震、本震、余震
前震、本震、余震の違い
断層のずれによって発生する地震の揺れで最大震度となる地震を本震、本震より前に発生する地震を前震、本震の後に発生する地震を余震といいます。
プレートのによる歪みは断層が動くことによって解放されますが、蓄えられた全ての歪みのエネルギー解放されるわけではなく、一部の歪みが残ったり、断層が動くことにより新たなプレートに歪みが発生します。
本震後にこれらの歪みを開放するために、多くの地震(余震)が発生します。
震源の浅い、規模の大きな地震のほとんどは、余震を伴います。余震の大きさは通常、本震のマグネチュードの1程度小さい規模になります。
余震はいつまで続く
内陸型地震である阪神淡路大震災の最大余震は本震から1時間48分後にM5.4を記録しています。
又その震度0以上の余震は、本震が発生した年(1995年)で2000回以上発生しましたが、翌年には180回、翌々年には109回まで減少しています。
一方、プレート境界型地震の東日本大震災の最大余震は本震から30分後にM7.6の地震が発生し、M3以上の余震は、本震が発生した年(2011年)で24,000回以上発生しました。
又翌年にも6500回、翌々年でも3500回の余震を観測しています。回数は減りましたが、東日本大震災の余震は7年経った今でも続いています。
その地震は本当に本震?
大きな地震が発生した場合、その地震が前震なのか、本震なのかは、充分な時間と解析が行われないと判定はできません。
マグネチュード6~7クラスの大きな地震が発生すると、一般心理では、ついその地震が本震だと考えてしまいます。
2011年3月9日におきた三陸沖地震はMj7.3 、最大震度5弱と大規模な地震でしたが、その2日後に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の前震でした。
又、記憶に新しいところでは、2016年4月14日に発生した熊本地震はMj6.5 、最大震度7の揺れが発生し、大きな被害を与えました。
しかし、この地震は前震で、その28時間後にMj7.3の本震が発生し、更に大きな被害を引き起こしました。
大きな地震があるとよくテレビやラジオのニュースで『一週間程度は大きな余震に注意して下さい』と報じられますが、発生した地震が本震であるとは限らないのです。
大きな地震が発生した後、次の揺れは余震だから本震より規模が小さいだろうと考えてしまいますが、今起きた地震は前震かもしれないのです。
本震と思っていた地震よりも更に大きな地震が発生する可能性もあるので、充分に注意する必要があります。