地震に備えて:電気自動車
電気自動車
電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHEV)は、非常に大きなバッテリーを搭載し、バッテリーの電気を使ってモータを回し走行を行います。
又ハイブリッド車も普通のガソリン車に比べて大きなバッテリを搭載しています。
これらのバッテリに蓄えられた電気を利用することで停電時の代替電気として使用することができます。
バッテリから取り出す電気は直流(DC)なので家庭用コンセント(AC)で使うためにはインバータと呼ばれる変換器が必要になります。
このインバータが車種によって搭載されているものと搭載されていないものがあります。
既にこれらの自動車を持っている方は、既知の内容だとは思いますが、これから自動車を購入しようと考えている方で、地震(停電)対策に使おうと考えている場合は参考にして下さい。
ハイブリッド車による電力供給
ハイブリッド車は、通常のガソリンエンジンと、小容量のバッテリーで駆動するモーターを組み合わせた車です。
ガソリンエンジンは、低速時の効率が悪いので、始動時やゆっくり走るときはモーターで駆動し、高速走行時はガソリンエンジンで走行します。
又減速時はモーターによる逆起電力で発生した電力を充電することにより燃費を改善します。
バッテリ電力が少なくなると、エンジンによる動作となり、エンジンで発電した電力をバッテリに充電します。
バッテリーへの充電は搭載されているエンジンからしか充電することはできず外部からの充電はできません。
搭載されたバッテリーだけでは2-3kmしか走行することができません。
この為、家庭用コンセントとして使用するためには、基本的にはエンジンを動作させた状態で使用します。
家庭用コンセントの最大電力は一般的に1500Wであることから、ハイブリッド車に搭載されるコンセントの最大電力は1500Wが標準仕様となっています。
但し、2口のコンセントが搭載されているのものは、合計電力で1500Wとなっているものが多いようです。
搭載されるバッテリは1KWh前後でバッテリの容量だけでは、充分な電力を供給できません。
基本的にはエンジンをかけた状態で電力供給を行います(使用する電力量が非常に小さい場合は自動的にエンジンが切れるモードもあります)。
電力供給という意味ではガソリンを使って発電した電力を利用するものであり、ガソリンが無くなれば電力を使用することはできません。
ガソリンを燃料とした発電機があるというイメージです。
地震が発生したとき、ガソリンが少ない状態だと電力の利用はあまり期待できません。
メーカ | 車種 | バッテリ電力 | 備考 |
---|---|---|---|
トヨタ | シエンタハイブリッド | 1.3KWh | |
トヨタ | プリウス | 1.3KWh | (ニッケル水素バッテリー) |
トヨタ | プリウス | 0.75kWh | (リチウムイオンバッテリー) |
トヨタ | SAIハイブリッド | 1.3KWh | |
トヨタ | カムリ | 1.0kWh | (リチウムイオンバッテリー) |
トヨタ | ヴェルファイアハイブリッド | 1.3KWh | |
トヨタ | エスティマハイブリッド | 1.3KWh | |
トヨタ | アルファードハイブリッド | 1.3KWh | |
トヨタ | ハリアーハイブリッド | 1.3KWh | |
トヨタ | クラウン | 0.75kWh | (リチウムイオンバッテリー) |
トヨタ | レクサスCT | 1.3KWh | |
トヨタ | レクサスHS | 1.3KWh | |
トヨタ | レクサスNX | 1.3KWh | |
トヨタ | クラウン | 1.3KWh | (ニッケル水素バッテリー) |
ホンダ | オデッセイ | 1.4kWh | (リチウムイオンバッテリー) |
ホンダ | ステップワゴン | 1.4kWh | (リチウムイオンバッテリー) |
AC100Vコンセントはメーカーオプションやグレード指定となっている車種もあるので、購入時に確認する必要があります。
プラグインハイブリッド車(PHEV)による電力供給
プラグインハイブリッド車はハイブリッド車のバッテリーを中容量のものにし、外部から充電ができるようにしたものです。 プラグインハイブリッド車はエンジンを止めて、バッテリーだけで30-50km程度走行することができる程度のバッテリ容量をもっています
メーカ | 車種 | バッテリ電力 | ガソリン満タン時の最大電力量 |
---|---|---|---|
トヨタ | プリウスPHV | 8.8kWh | 40kWh |
三菱 | アウトランダーPHEV | 12kWh | 100kWh |
プラグインハイブリッド車もガソリンを使って発電した電力を利用するタイプですが、搭載するバッテリだけである程度の電力を賄うことができます。
又ハイブリッド車と違い、エンジンを停止した状態で電力の供給が可能です。
地震発生時にガソリンが残っていなくても、バッテリの電力を利用できるため、地震時の予備供給電力としては安心です。
ガソリンが満タン状態での電力供給はプリウスPHVで40KWh、アウトランダーPHEVでは100KWhにもなります。
一般的な4人家族での一日の電力使用量が18.5KWhなので、100KWhでは普段の電力利用でに暮らしても5日分の電力が賄えることになります。
(但し1500W以上の電力を使用するためには、パワーコンディショナーという別売りの機器が必要となります)
電気自動車による電力供給
電気自動車は、エンジンを持たず、搭載されたバッテリの電力を用いてモータを回して走行します。 このため大容量のバッテリを搭載しています。
メーカ | 車種 | バッテリ電力 | 備考 |
---|---|---|---|
日産 | リーフ | 30kWh | |
三菱 | i-MiEV/MINICAB-MiEV | 16kWh |
電気自動車の場合、発電機を持たないので、搭載されたバッテリの電力量が供給可能な電力量となります。 ガソリンによる発電を含めた供給可能なトータルの電力量では、プラグインハイブリッド車に劣ります。
普通自動車による電力供給
一般的なガソリン乗用車に搭載されているバッテリは500Wh程度です。
AC100Vコンセントは有りませんが、12Vシガーソケットから電力を供給することができます。
地震等の災害に備えてシガーソケットに挿すタイプのUSB電源変換器を用意しておくと、スマホ等の充電が可能となります。