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地震の基礎知識:地震の種類

地震の種類

地震学的には地震の種類としてプレート間(境界)地震とプレート内地震に分けることができます。 プレート間地震は、プレート間境界地震、プレート間境界型地震とも呼ばれ、海洋プレートが大陸プレートの下に沈みこみ、発生するゆがみを開放する際に発生する『海溝型地震』も含まれます。

一方プレート内地震は、その名の通りプレート内部で発生する地震で『断層型地震』や『スラブ内地震』『アウターライズ地震』が含まれます。




しかしながら一般的には、『海溝型地震』と『内陸型(直下型)地震』の2つに分類することが多いようです。 『海溝型地震』は海洋プレートと大陸プレートの衝突によるひずみから発生する地震を総称しており、スラブ内地震、アウターライズ地震も含んで使用されることが多いようです。

『内陸型(直下型)地震』は内陸部の活断層がずれることにより発生する地震をいいます。 断層型地震、活断層型地震などとも呼ばれ、内陸の都市の直下や周辺で発生した断層型地震を直下型地震と呼んでいます。



海溝型地震、内陸型地震以外にも、火山活動によって発生する火山性地震などがあります。



地震の原因

海溝型地震(プレート境界型地震)

地球の表面は、海や陸など十数枚に分かれた、プレート(岩盤)で覆われています。

マントル対流により、プレートは年間数cmから数10cmの速さで移動しており、日本付近では、海側の太平洋プレート、フィリピン海プレートが大陸側のユーラシアプレート、北米プレートに衝突した状態にあります。 因みに、太平洋プレートは1年に6~8センチメートルで日本の方向に向けて移動しており、現在のハワイ諸島は8000万年後には、日本のすぐ隣にまで近づくと言われています。

そして、海側のプレートは大陸側のプレートより重たいため、大陸側のプレートの下に沈み込んでいきます。 この時、境界面では大陸側のプレートも引き吊り込まれ、ひずみがたまっていきます。
このひずみが、限界に達すると、跳ね返りの動きをしたり、亀裂がはいり境界がずれ動いたりします。 これが地震となって地球表面に現れます。震源の深さとしては10Km~40Kmです。 広範囲のプレートが動くため、規模が大きく、揺れる時間が長い地震になりやすい特徴があります。


地震が起こるとひずみは一旦解放されますが、太平洋プレート、フィリピン海プレートの動きは一定なので、定期的にひずみがたまり地震は繰り返し発生します。 このひずみの開放による地震の周期としては数十年から100年単位で発生します。

この周期性から想定されているのが南海トラフ大地震で、南海、東南海、東海エリアで連動して発生する大地震を指します。 過去には1944年(昭和19年)に、紀伊半島南東沖を震源として発生しており、70年以上が経過し、今後の大地震の発生が警戒されています。

海溝型地震は、地震の規模としてはマグニチュード7~8と大きくなることもあり、稀に複数の境界面が同時に動いて、マグニチュード9を超える超巨大地震となる場合もあります。 東日本大震災、北海道南西沖地震がこのタイプの地震です。 又、関東大震災の震源は内陸部と想定されていますが、プレート境界による地震で、海溝型地震に分類されています。

海溝型地震の震央は多くが海洋部分の為、巨大津波を伴う場合があります。東日本大震災の巨大津波は記憶に新しいところです。




スラブ内地震

プレートの境界面では、海側のプレートは陸側のプレートの下に沈み込んでいきます。 この沈み込むプレートをスラブといい、マントルの中を沈み込んでいる途中で割れたりすることで、地震を発生させることがあります。 このような、スラブ内で発生する地震をスラブ内地震と呼びます。 又、震源が深いことが多い(50Km~600kmにも達する場合もあります)ことから深発地震とも呼ばれます。


地震波の伝わりやすさは、プレートの位置関係やマントルの深さなどで異なってきます。 この為、深い場所で発生した地震は震源から離れた場所で震度が大きくなる場合があります。 スラブ内地震はプレート境界型の地震のように、周期的な発生は確認されておらず、又、プレート内部のどこで起きるのか予測するのが難しいとされています。

プレート境界型の地震に比べて規模は小さいものが多いですが、中には大きな地震もあります。 福島県沖や茨城県沖で頻繁に発生する地震のほか、2001年3月の芸予地震、2015年小笠原諸島西方沖で起きたM8.1の地震もこのタイプの地震です。




アウターライズ地震

プレート境界型地震の原因は、大陸側のプレートが引き吊り込まれ、ひずみが溜まっていくことによりますが、この時、海側のプレートも少なからずひずみが蓄積されます。 大陸側のプレートにたまったひずみが解放されると、プレート間(境界)地震が起きますが、この時、海側のプレートに溜まったひずみも同時に解放されるとは限りません。

プレート境界型地震の前後などに、海側のプレートで解消されなかった歪みによってずれや割れが生じ、地震を発生させることがあり、アウターライズ(海溝上縁隆起帯)で発生するため、アウターライズ地震と呼ばれます。

震源の深さとしては、プレート境界型地震と同様、~40Kmです。 アウターライズ地震はスラブ内地震の範疇とする場合もあります。


遠方の海域で発生するため、陸地において地震の揺れによる被害は少ないことが多いですが、M8を超える地震が発生し、津波により災害を引き起こすことがあります。 2006年千島列島沖地震の2か月後に発生した、2007年千島列島沖地震や、東北地方太平洋沖地震の余震としてもこのタイプの地震が発生しています。




内陸型地震

プレート内部にある活断層がずれることにより発生する地震を内陸型地震といいます。

日本にはあらゆる場所に活断層が走っているため、人口密集地の断層が動いた場合、大きな被害をもたらすことがあります。 このように人口密集地直下の断層によって発生した地震直下型地震と呼んでいます。

地震の規模は活断層の大きさによりますが、M6~7程度になります。 又、同一の活断層による大きな地震の発生周期は、数百年から数十万年に1回の頻度とされています。 プレート境界型地震と違い、周期性からの地震予知は非常に困難です。

日本には,2,000以上の活断層が見つかっていますが、未発見のものはそれよりもはるかにたくさんあります。 日本では、内陸型地震がどこで発生してもおかしくありません。


内陸型地震は影響範囲の真下が震源となり、震源が比較的浅い場合が多いため(5~20㎞)、P-S時間が短く、緊急地震速報が間に合わないことが多々あります。 1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)、2004年の新潟県中越地震、2016年の熊本地震などが内陸型地震によるものです。







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